ごあいさつ

時を止めず前進する全幼研の未来に向けて

理事長写真
 令和4年度総会におきまして理事長に就任しました福井直美です。3期目に入りましたが、令和2年・3年度は70年を迎えた本会の歴史の中では初めて尽くしのことばかりで、あっという間に過ぎていったように感じます。書面による総会に始まり、研究大会の延期、教育経営研修会の書面開催、さらにはリモートによる研究大会・教育経営研修会の開催等、その都度、変更による変更をしながらも「時を止めず前進する全幼研」として切り抜けてまいりました。これもまた、数年後に振り返れば懐かしい思い出になることと思います。
 本会は、昭和27年に旧文部省全国モデル幼稚園協会が設置されたことに始まり、幼児教育の充実・発展を目指す団体として成長してきました。発足当初より施設の在り方や保育の在り方について、常に幼児の立場から追及し、教育行政に粘り強く働きかけたり、保育環境等について熱心に研究を進めたりした先達の努力が、日本の幼児教育の充実・発展に果たした役割は大きいといっても過言ではありません。そして平成25年からは公益社団法人となり、社会に貢献する団体として活動してまいりました。このことは70周年記念DVDの中で紙芝居「全幼研誕生物語」として紹介しておりますが、初代浅野寿美子会長の熱い思いが今に引き継がれていることや、学びの場を求める多くの熱い会員の思いや期待に応えるべく、様々な研究・研修に取り組み、今を迎えていることを実感しております。
 2040年の未来を見据えて、新しい時代を生き、未来を切り開く逞しい力を幼児期に育てたいと願い時代の課題をとらえて、ICT化が進む中でAIと共存しながらも一人一人が力を発揮し、幸せに生きる姿を想像し研究・研修のテーマを考えてまいりました。奇しくもコロナウイルス感染症の拡大に伴い予想よりも早く、一気に私たちの仕事や活動の中にもICT化が広がりましたが、通信機器による情報の提供、オンラインを活用したリモート・ハイブリッドによる会議・研修会など新しい方法を活用し、時を止めず前進する全幼研の未来は、確実に進化しています。
 今、幼児教育と小学校教育をつないでいくプログラムの開発や、こども家庭庁の設立など、幼児教育は新たな課題に直面していますが、全幼研は未来に生きる子どもたち一人一人のウェルビーイングを求めて、公益性を発揮し幼児教育の発信基地として研究・研修に取り組んでまいりますので、引き続き関係の皆様、会員の皆様のご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。

理事長 福井 直美